ポルシェ、リマック社の株式取得でEV開発加速

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ポルシェは、クロアチアの電動スーパーカーブランドのリマック社の株式の10%を取得した。

 

ポルシェによると、リマック社の株式取得によって今後のEV開発への強固なパートナーシップを築き、そこから得られた最先端の技術やノウハウをポルシェのEVスポーツカーに役立てたいようだ。

 

▶リマック社とは

リマック社は、クロアチアのザグレブ郊外にある従業員400人ほどの電動スーパーカーブランドである。小さな会社ではあるが、高電圧バッテリーとEVパワートレインの技術はEVスポーツカーの中でも随一であり、「コンセプトワン」という電動スーパーカーで一躍有名となった。

 

「コンセプトワン」のモーター出力は1,290psを誇り、0-100㎞/h加速は3.3秒で、最高速度は356㎞/hに達する。そして、今年のジュネーブモーターショーでは、その進化版である「リマックC TWO」を発表した。

 

「リマックC TWO」は、4つのモーターを120kWh(キロワットアワー)というとてつもない高電圧バッテリーで駆動させ、1,941ps/2,300Nmというマンガのようなパワーを、トルクベクタリング機能付きの4WDを介して、0-100㎞/hを2秒以下で駆け抜ける、もはやスーパーカーを超えたハイパーカーである。

 

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▶Win-Winのパートナーシップ

ポルシェのリマック社の株式取得の狙いは、リマック社の技術を自社のEV開発に取り入れることで、2020年の「タイカン」投入で本格参入するEVスポーツカーセグメントでライバルよりも優位なポジションを獲得することにある。

 

ポルシェが注目している技術は、先述した高電圧バッテリーとEVパワートレインである。既にトップレベルに達している技術を取り入れることで、ライバルよりも一歩先を行くスペックを搭載したEVスポーツカーの開発が可能となる。

 

一方のリマック社にとっては、ポルシェが株主という形で同社を資金的にバックアップし、さらに今後の技術開発のパートナーとなってくれたことで、リマック社のブランド価値は飛躍的に高まる。そして、豊富な資金力で開発された最先端のEV技術やシステムを他のブランドへOEM供給することで、リマック社のグローバル展開が一気に加速する。

 

現在400人の小さなEVブランドは今後数年で一気に成長し、ポルシェと共にEVドリームを勝ち取るかもしれない。お互い、Win-Winの関係であることは間違いない。

 

▶今後の展開

2020年には、ポルシェ70年の歴史の中で初となる量産EVスポーツカー「タイカン」がデビューする。もちろん、派生モデルも遅れてではあるが、ラインアップされる。それにしても、ポルシェが、EVスポーツカーのマーケットにまさかこんなに早く参入するとは、驚くと共に今後のポルシェの動きからは目が離せない。

 

一方、ライバルも指をくわえて見ているわけではなく、BMWとミニは今後2年の間に、EVのみのモデルを投入するという。ちなみに、911にはプラグインハイブリッド導入の計画がすでにスタートしているようだ。

 

ハイブリッドでワンクッション入れた後、いよいよ911が完全にEVになってしまうのも時間の問題となってしまった。

何とも複雑な心境である。

 

Photo source:PORSCHE,RIMAC

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