【速攻解説】新型メルセデスAMG A45S試乗動画

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ホットハッチの領域を超える「スーパーホットハッチ」、いや、「ハイパーハッチ」こと、新型AMG A45S。

 

その公式デビューは、9月のフランクフルトモーターショー。あとわずか1か月。しかし、本物を早く見たくて見たくてたまらない方もいるだろう。そんな方のために、AUTOJACKがある。

 

メルセデスAMGが「コンパクトクラスのスーパースポーツカー」と自負する新型AMGA45S。その小さなハッチバックのフロントグリルには、AMGが誇るモンスターマシンの証、300SLをルーツとする縦型フィングリルのパナメリカーナグリルが燦然と輝く。そしてリアに回ってみると、クワッドエキゾーストから轟音が響き渡る。

 

それでは、スペイン マドリードでの試乗動画を日本語で解説する。

 

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▶エンジンについて

新型A45Sは、2.0ℓ4気筒ターボエンジンで、421ps/500Nmを発揮する。泣く子も黙る世界最強の4気筒ターボエンジンだ。このエンジンは先代の改良版ではなく、全くの新型エンジンである。

 

しかし、普段使いで400ps超のエンジンは必要ない。そこで、AMGの開発担当者に、なぜこれほどまでに強力なエンジンを開発したのか尋ねてみた。すると開発担当者は、次のように明快かつ誇らしげに応えた。

 

「AMGは、世界最強の4気筒ターボエンジンを造ることができるからだ」

 

卓越した技術とノウハウを持つ者だけに許される貫禄の一言だ。

 

それにしても、強烈な加速。2.0ℓの4気筒エンジンとは思えない速さである。0-100㎞/h加速は、わずか3.9秒。“3.9秒”だ。

AMGのフラッグシップモデルであるAMG GTの4.0秒を凌ぐ速さだ。

 

▶足回りについて

刷新された新型A45Sのシャシーは洗練の域に達し、先代に比べると飛躍的に進化している。最新のAMGサスペンションは、快適な乗り心地とパフォーマンスを見事に両立している。

 

また、フロントの巨大な6ピストンのブレーキ・キャリパーにより、新型A45Sはよりコントローラブルなマシンに仕上がっている。シャシーが強化された結果、400ps超のパワーを余すことなく路面に伝える。

 

▶トランスミッションと最新4WDについて

新型A45Sのトランスミッションは、新開発のトランスミッション「8速AMGスピードシフトDCT」が組み合わされ四輪全てを駆動する。最新の4WDシステムである「4MATIC+」は、フロントバイアス(トルク配分が前輪寄り)の4WDであるが、必要に応じて最大50%のトルクをリアに配分することができる。

 

加えて、AMGトルクコントロール(トルクベクタリング)により、走行状況に応じてリアの左右輪のトルク配分を最大0:100にすることができる。その結果、旋回性能が飛躍的に向上し、これまで以上に軽快なコーナリングが可能となった。

 

▶ワインディングでの走り

「4MATIC+」により、溢れんばかりのパワーを強力なグリップ力で余すところなく路面に伝える。そして、フットワークも先代よりも明らかに軽快だ。エンジン音やエンジンレスポンスも先代よりいい。

 

ドライブトレイン(パワートレイン)は見事な出来栄えであるが、ステアリングの手応えが少し軽すぎるような気がする。そのためだろうか、ステアリングに伝わってくる路面のインフォメーションもやや少なく感じられる。

 

▶ファミリーカーとしての資質

ハッチバックはファミリーカーであり、家族を乗せ、荷物を載せ、快適に長距離を走れなければならない。果たして、パフォーマンスモデルである新型A45Sはファミリーカーとしての役割を十分果たせるだろうか。

 

コンフォートモードに切り替えて走ると、先代よりも明らかに快適で上質な乗り心地を実現。ラゲッジスペースや後席の居住性も全く犠牲になっておらず、見事な実用性も備える。

 

動力性能は非日常であるが、実用性は日常に十分対応している。しかし、価格は非日常的だ。

 

▶AMG A45S 総評

新型A45Sは、スポーツカーを凌ぐ息を呑む速さと毎日快適に使える実用性を備える。これ以上望むことが無い完璧なクルマに思える新型A45Sにも弱点がある。それは、クルマを「操る楽しみ」にやや欠けるところだ。

 

新型A45Sは、421ps/500Nmという超ド級のパワーを誇る。普段使いでは、この半分のパワーで必要にして十分。しかし新型A45Sは、そこそこパワフルなエンジンの2倍のパワーを搭載するだけに、各種最新の電子デバイスでマシンが暴れないようコントロールすることは必然。ここに落とし穴がある。強大過ぎるエンジンパワーを巧く手なずけるべく、クルマは最新の電子デバイスでガチガチにコントロールされている。そこには、ドライバーの技術が入り込む余地が少なく、シビックタイプRで味わえる「操る楽しみ」なるものを奪ってしまっているのだ。

 

とはいえ、新しく導入したドリフトモードで、究極の「操る楽しみ」を用意してくれてはいる。しかし、普段のドライブでもやはり「操る楽しみ」なるものを味わいたい。エンスーの思いは、欲深きものだろうか…

 

関連記事:新型メルセデスAMG A45Sの魅力【ドリフト動画付】

 

価格は700万円近い。はっきり言って、高い。AMGとしては最もお値打ちかもしれないが。メルセデスAMGが造るクルマだけに、数値と数値に表れない魅力が正気を奪いそうになるが、そんな時には来年デビュー予定の新型「ゴルフR」が頭の中をかすめる。

 

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Source:AUTO EXPRESS

 

Photo Source:Mercedes-Benz

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