ポルシェは、市販レーシングカー「新型718ケイマンGT4クラブスポーツ」を発表した。市販とはいえ、レーシングカーであるから、残念ながら公道では走れない。
とはいえ、落胆することなかれ、公道を走る「新型718ケイマンGT4」は、今年3月に開催されるジュネーブモーターショーで発表された後、今年の秋以降に発売される予定だ。
「GT4」と言えば、718の中ではトップモデル。その証に、エンジンは4気筒ターボではなく、911譲りの自然吸気の6気筒が搭載される。パワーも、足のしなやかさも、全てにおいて別格の存在だ。
そんな次期「GT4」を占う「新型718ケイマンGT4クラブスポーツ」とは、一体どのようなマシンなのか。
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▶見るからに正真正銘のレースカー
見た目は、一目瞭然。正真正銘のレーシングカーだ。これまで以上のダウンフォースを手に入れるべく、空力対策を徹底。フロントバンパー下部の巨大なエアインテークと、巨大なリアウィングは、その証とも言える。
もちろん、軽量化も抜かり無い。軽量化と言えば、カーボン素材がすぐに頭に浮かぶ。しかし、ポルシェは我々の一歩先を行く。カーボンファイバーと同程度の重量と強度を持つ、アマと大麻の有機混合繊維をドアとリアウィングに採用。その結果、718ケイマンGTSよりも130㎏軽い、1,320㎏という見事な軽さに仕上げた。
軽量化の徹底は、コックピットの中にも貫かれており、レースに不要なナビやオーディオ類は一切取り払われている。もちろん、座席はドライバーズシートのみ。セーフティーケージにしっかりと守られたコックピットには、レーシングバケットシートと6点式ハーネスが、ドライバーをしっかりとサポートする。
「新型718ケイマンGT4クラブスポーツ」には、2モデル用意される。エンスー向けのサーキット仕様である「新型718ケイマンGT4クラブスポーツ トラックデイ」と、本格的なレース仕様である「新型718ケイマンGT4クラブスポーツ コンペティション」だ。
ちなみに、「コンペティション」には、911 GT3 R 譲りの着脱式のレーシングステアリングが装備される。一切の妥協を許さない、本格派だ。
▶先代を優に上回るエンジン
「新型718ケイマンGT4クラブスポーツ」のエンジンは、3.8ℓ水平対向6気筒。パワーは、425ps@7,500rpm / 425Nm@6,600rpmを発揮。先代よりも、40ps/5Nmのパワーアップを図っている。トランスミッションは、先代の6速マニュアルとは違い、6速PDKが組み合わされ、後輪を駆動する。
4気筒ターボでは味わえない甘美なる興奮が、サーキットで待っている。
▶レースカーの足回り
足回りは、サーキットでのベストパフォーマンスを実現するために最適化されており、「快適」とは無縁の世界だ。ハードコアなセッティングは、モデルによって異なる。「新型718ケイマンGT4クラブスポーツ トラックデイ」は、固定式のショックアブソーバーを備える。一方、「新型718ケイマンGT4クラブスポーツ コンペティション」は、3段階の調整式ショックアブソーバーを装着。ただし、両モデルのフロントサスペンションは、911 GT3 カップレーサーから移植されたものだ。
ブレーキは、380mmのスチール製ブレーキディスクを備えたレーシングブレーキシステムを備える。「コンペティション」に至っては、可変ブレ―キバランスシステムを装備し、素早いピットストップを可能にするエアジャッキシステムまで備える徹底ぶりだ。
▶今後の展開
「新型718ケイマンGT4クラブスポーツ」は、両モデル共にすでに受注を開始しており、2月からデリバリーを開始する。先代モデルでは、421台を販売した実績を持つポルシェ。今回の新型モデルの造り込みから、先代を上回らんばかりの並々ならぬ意気込みが見て取れる。
ちなみに価格は、「新型718ケイマンGT4クラブスポーツ トラックデイ」が、およそ1,670万円から。「新型718ケイマンGT4クラブスポーツ コンペティション」は、およそ2,000万円からとなる。
気になる我々にとっての真打、公道を走る「GT4」であるが、冒頭でもお伝えした通り、今年3月に開催されるジュネーブモーターショーで発表された後、今年の秋以降に発売される予定だ。
Photo source:PORSCHE
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