デビューから43年、7代目を迎えたBMWのベストセラーモデル、3シリーズ。

その卓越した運動性能により、「スポーツセダン」という言葉を世界中に広めた生ける名車は、果たしてどのような進化を遂げたのだろうか。

ポルトガルでの試乗動画を日本語で解説する。

▶340i（動画前半）の日本語解説

プラットフォームについて：

7代目3シリーズは、ボディは大きくなったものの、車重は55㎏の減量に成功。ボディ剛性も従来より50%向上している。BMWと言えば理想の前後重量配分であるが、もちろん、今回の新型3シリーズも50：50をきっちりとキープ。

進歩的熟成を果たした骨格は、「駆け抜ける歓び」を一段上へと引き上げている。

乗心地について：

ドライバー1人で乗っている時は、荒れた路面であろうが、流れるようにスムーズに走る。そして、4人乗車で荷物を目一杯トランクに詰め込んで走った場合は、ダンパーの減衰力が上がり、フラットな姿勢をキープする。ただし、先代のような強い突き上げはなく、あくまでも、しなやかにフラットな姿勢をキープしてくれる。

ワインディングロードでも、上質な乗心地を失わず、懐深く駆け抜けてくれる。

新型3シリーズの乗心地は、基本的に至ってスムーズだが、凸凹道では時折、バタつきを感じる場面もある。とはいえ、よほどの場合を除き、快適な乗り心地であることに変わりはない。

ハンドリングについて：

3シリーズのトレードマークである「切れ味鋭いハンドリング」であるが、「コンフォート」モードでは、ちょっと軽すぎるように感じる。一方、「スポーツ」モードでは、やや不自然な重さがあり、路面からのフィードバックも思いのほか少ない。しかしながら、ハンドリング自体は、精確かつシャープだ。

コーナーで、自分の狙ったラインを思い通りに曲がってくれるあたりは、「駆け抜ける歓び」そのものだ。

340i総評：

7代目3シリーズは、原点回帰の「スポーツセダン」としての走りを体現する。

ハンドリングは、路面との対話にやや欠けるところはあるが、ライバルのアルファロメオ ジュリアを凌ぐ俊敏さは、さすがである。エンジン、トランスミッション、シャシーの全てが大きく進歩していることは、疑いの余地がない。

▶320d（動画後半）の日本語解説

動力性能について：

320dは、2.0ℓ4気筒ターボディーゼルを搭載し、190ps/400Nmを発揮。トランスミッションは、8速ATが組み合わされ、後輪を駆動する。

動力性能は、0-100㎞/h加速を6.8秒でこなし、ディーゼルとしては、申し分ないパフォーマンスだ。

走りについて：

アクセルを踏み込んだ際のディーゼル特有のカタカタ音は多少残っているが、先代に比べれば良くなっている。高速道路でのクルージングは、至って静か。あらゆる箇所に、改良の跡が感じられる。マニュアルモードでのパドルシフトの操作性も改善しており、シフトチェンジは文句なしに速い。

ただ、「コンフォート」モードで走るのが、やはり一番快適かもしれない。

▶3シリーズの実用性と総評（動画後半）の日本語解説

快適性と実用性について：

新型3シリーズのキャビンは、ホイールベースが拡大し、全幅もワイドになっため、ヘッドルーム、レッグルーム、ショルダールームに余裕が生まれた。

「小さな5シリーズ」と感じてしまうほど広々としている。

ラゲッジスペースは先代と同じ480ℓであるが、このクラスでは指折りの荷室容量を誇り、実用性に問題はない。

最新のidriveについて：

最新のidriveを起動させるには、「ヘイ、BMW」と話しかけるだけでよい。

例えば、「疲れた」と話しかけると、idriveが80年代のアップテンポな曲をかけてくれ、眠気を覚ましてくれる。その他には、室温やシートヒータの調整、目的地周辺の地元情報も検索してくれたりもする。いわゆる、使える賢さを備えているのだ。BMWのidriveは、一段上のレベルへと到達していると言っていいだろう。

3シリーズの総評：

7代目3シリーズは、これまで以上に気軽で快適にドライビングを愉しめる。

全ての点で、先代よりもいいクルマに仕上がっている。

Source：Auto Express

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▶スペック

Photo source：BMW