上質な「動と静」を兼備する、新型X7登場(前編)

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BMWは、同社の「SAV」史上、最大かつ豪華なSAV「新型X7」を発表した。ライバルは、メルセデスベンツ「GLS」、「キング オブ SUV」のレンジローバーだ。

 

新型X7は、7シリーズが持つダイナミックな走りと、至極快適な乗り心地を見事に再現。ワールドプレミアは、今年11月開催のLAモーターショーだ。

 

コードネーム「G06」という名で開発された新型X7。昨今のSUVブームにおいて、特に成長著しい、アメリカ、中国、ロシア、中東が、メインマーケットだ。そんなSUV大国では、乗員がゆったりくつろげる広い室内空間と快適な乗り心地が何よりも優先される。そして、いざアクセルを踏み込めば、長距離を一気に移動できる動力性能が要求される。

 

他のXモデルとは一線を画す、上質な「動と静」を兼ね備えるクルマこそ、新型X7だ。

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▶BMW史上最大の巨体

新型X7は、X5と同じCLARプラットフォーム採用する。近い将来、PHVにも対応できる拡張性を備える。BMW史上最大のキドニーグリルには、走行抵抗を低減するアクティブエアーフラップが備わる。BMWのシンボルの両サイドには、鋭い眼光のLEDヘッドライト。オプションのBMWレーザーライトを選べば、ハイビームで600m先まで照射できる。

 

BMW史上最大の巨体とは思えない、「精悍な顔つき」の新型X7。でも、ボディはやっぱりデカかった。ボディサイズは、全長:5,151mm × 全幅:2,000mm × 全高:1,805mm。ホイールベースは、なんと3,105mm。車重は、およそ2,4t。デカい。日本では、デカすぎる。欧州でも、デカすぎる。

 

新型X7は、この巨体であるからして、標準で3列シートの7人乗り。しかも、全席パワーシート。2列目シートは、レッグルームが90mm、ヘッドルームが30mmもX5より余裕がある。しかも、オプションで、優雅な「キャプテンシート」にできる。3列目シートには、アームレスト、カップホルダー、USBポートまで設ける徹底ぶりだ。

 

ラゲッジスペースは、7名乗車の場合、最小の326ℓ。3列目を倒すと、750ℓ。後席全てを倒すと、巨大な荷室容量、2,120ℓを確保する。電動テールゲートは、2分割式となり、荷物の出し入れが容易にできる。

 

新型X7は、アメリカ、中国、ロシアのような広大な国土を移動するには、もってこいの広さと快適性、そして実用性を備えている。まさに、陸を走る豪華クルーザー。

 

▶4種のエンジンラインアップ

新型X7の発売時には、ガソリン2種、ディーゼル2種、合計4種のエンジンを展開。

 

ガソリンエンジンは、3.0ℓ直列6気筒ターボのxDrive40iと、4.4ℓV8ツインターボのxDrive50i(欧州では展開されない)の2種類だ。

 

xDrive40iは、340ps @ 5,500 – 6,500rpm/450Nm @ 1,500 – 5,200rpmを発揮。0-100km/h加速は6.1秒でこなし、最高速度は、245km/hに達する。

 

xDrive50iは、462ps @ 5,200 – 6,000rpm /650Nm @ 1,500 – 4,750rpmを発揮。0-100km/h加速は5.4秒でこなし、最高速度は、250km/hに達する。

 

一方のディーゼルエンジンは、いずれも3.0ℓ直列6気筒ターボで、xDrive30dが265ps @ 4,000rpm /620Nm @ 2,000 – 2,500rpmを発揮。100km/h加速は7.0秒でこなし、最高速度は、227km/hに達する。

 

xDrive50dは、400ps @ 4,400rpm /760Nm @ 2,000 – 3,000rpmを発揮。100km/h加速は5.4秒でこなし、最高速度は、250km/hに達する。ディーゼルとは思えぬ速さ。数値を見る限り、一押しのパワフルなエンジンだ。

 

これら4種のパワフルなエンジンには、世界的ベストセラーとされるトルコン式ATこと、ZF製の8速ステップトロニックATが組み合わされる。そして、BMWご自慢の4WD「xDrive」を介して、その強大なパワーを路面へと余すことなく伝える。

 

どのエンジンも、スロットルを開ければ、レッドゾーンまで気持ち良く、「シューンッ」と回る躾がされているのは、折り紙つき。メルセデスのEQブーストなる電動アシストは使わない、BMW。バイエルンのエンジン屋の意地なのか…それとも、官能的な「駆け抜ける歓び」を体現するには、電動アシストはかえって邪魔になるのか…(後編へ続く)

 

Photo source:BMW

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