「打倒Cクラス」を掲げ、5年もの歳月をかけて造り込まれた7代目3シリーズ。大きくなったボディにパワフルなエンジンを搭載。その走りや、いかに。
▶期待膨らむ走り
7代目3シリーズは、ボディは大きくなったものの、車重は55㎏の減量に成功。ボディ剛性も従来より50%向上しているようだ。BMWと言えば理想の前後重量配分であるが、もちろん、今回の新型3シリーズも50:50をきっちりとキープしている。そして、フロントとリアのトラックもよりワイドになった。軽量化、50:50の理想的な重量配分と低重心、ワイドトラックの3つに、全面的な見直しが施されたステアリング。ボディのかっちり感はもとより、直進安定性やコーナリング時の回頭性も一層の磨きがかかっているだろう。
さらに、Cd値は従来の0.26から0.23へと減少。エコな走りに貢献してくれているはずだ。
サスペンションは、フロントがダブルジョイント・スプリング・ストラット式、リアが5リンク式となる。Cクラスのようなエアサスではないが、新開発のサスペンションは、街乗りからスポーツドライビングまで、あらゆる路面や走行状況で、これまで以上のフラットな乗り心地を提供してくれるそうだ。どんな状況でもフラット。エアサスを履くCクラスへの並々ならぬライバル意識だ。
オプションの電子制御式アダプティブMサスペンションを選べば、19インチのホイールの奥にブルーのブレーキキャリパーのMスポーツブレーキもセットで付いてくる。さらに、「駆け抜ける歓び」を思う存分楽しみたい方のために、オプションでMスポーツディファレンシャルも用意されている。
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▶走るだけじゃない、快適なインテリア
インテリアは、最新のBMWのデザインコンセプトが反映されており、物理的なボタンやスイッチ類が最小限に抑えられ、スッキリとしている。とうとう、サイドブレーキがボタン式の電動パーキングブレーキに代わった。
ドライバーオリエンテッドなコックピットのインストゥルメントパネルは、標準ではアナログ式となる。最新版のidrive7.0を搭載したコントロールディスプレイは、標準でも従来の6.5インチから8.8インチへと拡大。オプションのライブコックピットプロフェッショナルを選べば、インストゥルメントパネルは12.3インチのフルデジタルメーターとなり、コントロールディスプレイは10.25インチとなる。
最新のidriveの操作は、「タッチコントロール」「idriveコントローラー」「ステアリング ボタン」「ジェスチャーコントロール」「ボイスコントロール」から好きな方法を選べる。とはいえ、これだけ操作方法が多いと、いらぬ混乱を招きそうだ。結局、これまで通りの慣れた方法に落ち着くのだろう。
「Hey, Mercedes!」のMBUXに対抗するためだろうか、「インテリジェント・パーソナル・アシスタント」という機能がidriveに新しく加わった。話しかけるだけで、目的地を設定してくれたり、室温を調整してくれたり、好きな音楽をかけてくれるらしい。何か頼みたい時は、最初に「Hey, BMW!」がお約束…
オプションのヘッドアップディスプレイは、従来よりも70%も大きくなったようで、視認性がかなり改善されているようだ。スマートフォンによる鍵の開閉やエンジンの始動ができる「BMWデジタルキー」、携帯端末のワイヤレス充電器もすべてオプション設定となる。肌身離さずスマートフォンを持ち歩く人が多い現代、この辺りの装備が標準になると、BMWはもっと株を上げただろうに。
室内の快適性について一つ。新型3シリーズは、ダッシュパネルやAピラーにこれまでよりも多くの防音材を用い、フロントとリアのガラスは標準で吸音性となる。従来よりも、風切り音やロードノイズが車内に聞こえにくい空間造りをしたようで、高級車に乗っている感が今まで以上に増すことは間違いないだろう。
そして、多様なカスタマイゼーションで、トリムやシートの革など、より上質なマテリアルで自分好みの空間を創ることも可能だ。そうすれば、さらに一段上の至福のひと時を味わえるだろう。
▶今後の展開
2019年3月に、欧州を皮切りに販売が開始される。そして、2019年の秋頃には、ワゴンモデルの導入が予定されている。そして、2020年には、M40iやM40d、そして待望のM3が登場する予定だ。もちろん、プラグインハイブリッドも近い将来投入される。
新型3シリーズのライバルは、Cクラスだけではない。アウディA4、ジャガーXEも3シリーズのライバルだ。しかし、今回のフルモデルチェンジでガチンコ勝負したい相手は、やはりCクラスだろう。Cクラスに勝つために、5年という歳月をかけてきたのだから。
▶新型3シリーズへの期待
日本で最も目にする輸入車の一つであるBMW 3シリーズ。
セダンもワゴンも、スポーティな高級車の代名詞である。
鍛え抜かれたアスリートのように均整がとれたシルエットは、躍動感があり美しくもある。
この曲線美は、ドイツ御三家の中でも随一ではないだろうか。
スポーティな高級車BMWの「スポーティ」には、いくつもの「スポーティ」が同居する。
気持ちのいいエンジンフィール、軽快なハンドリング、路面からの雑味の無いフィードバック…
そして、大人の落ち着きと懐の深さを「スポーティ」に味わえる逸品こそ、新型3シリーズかもしれない。
Photo source:BMW
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