BMWは、7代目となる新型3シリーズをパリモーターショーで発表した。3シリーズは、プレミアムコンパクトセダンとして、メルセデスベンツCクラスと長年に渡り双頭をなしてきた。

1975年の発売以来、世界中で1,500万台以上も販売されてきたBMW3シリーズ。コードネーム「G20」と名付けられた7代目3シリーズは、「打倒Cクラス」を掲げ、5年もの歳月をかけて、スポーツセダンとしての強みをそのままに、乗り心地や快適性、そして実用性にさらなる磨きをかけてきた。

果たして、永遠のベンチマークと評されるCクラスを超えることはできるか。

はたまた、スポーツセダンを極めるべく孤高の道を突き進むのか。

早速、その進化の軌跡を拝見するとしよう。

▶大きくなったスポーツセダン

7代目3シリーズの進化ぶりで最もわかりやすいのは、その「大きさ」ではないだろうか。5シリーズや7シリーズに採用されているCLARというプラットフォームにより、ボディのスリーサイズは全て先代よりも大きくなっている。

ボディサイズは、全長：4,709mm（+76mm）×全幅：1,827mm（+16mm）×全高：1,442mm（+1mm）となる。そして、ホイールベースは、41mm延長され、2,851mmとなり、乗り心地はよりフラットに、室内空間はより広々と快適になっているはずだ。ちなみに、ラゲッジスペースは、通常時で480ℓを確保し、40：20：40の分割可倒式も備え、実用性も申し分ない。さらに、よりワイドになったフロントトラック（+43mm）とリアトラック（+21mm）により、軽快なフットワークに一層の磨きがかかっていることは間違いない。

▶スポーツマインドを掻き立てる外観

アクティブエアフラップを内蔵したキドニーグリルを挟むかのように鎮座するスポーツマインドたっぷりの精悍なLEDヘッドライトは、とうとう標準装備となった。オプションのBMWレーザーライトを選べば、ハイビームで530m先の暗闇を煌々と照らせる。さらに、フロントバンパー下部のLEDフォグランプと横向きのT字型デザインのエアインテークは、スポーツラインとラグジュアリーラインでは標準装備となる。

リアは、L字型デザインのテールライトが従来よりもシャープで立体的なデザインへと刷新され、高級感漂うスポーティな存在感を醸し出す。

▶６種のエンジンラインアップで口火を切る

発売時のエンジンラインアップは、ガソリン2種とディーゼル4種の計6種が展開される。なお、7代目3シリーズから、ガソリンモデルでのMTは廃止された。

2.0ℓ4気筒ターボの320iは、184ps/5,000rpm－6,500rpm、300Nm/1,350rpm－4,000rpmを発揮。動力性能は、0-100㎞/h加速を7.2秒でこなし、最高速度は238㎞/hに達する。トランスミッションは、8速ATが組み合わされ、後輪を駆動する。

2.0ℓ4気筒ターボの330iは、258ps/5,000rpm－6,500rpm、400Nm/1,550rpm－4,400rpmを発揮。動力性能は、0-100㎞/h加速を5.8秒でこなし、最高速度は250㎞/hに達する。トランスミッションは、8速ATが組み合わされ、後輪を駆動する。

2.0ℓ4気筒ターボディーゼルの318dは、150ps/4,000rpm、320Nm/1,500rpm－3,000rpmを発揮。動力性能は、0-100㎞/h加速を8.5秒（8.4秒：8速AT）でこなし、最高速度は226㎞/h（222㎞/h：8速AT）に達する。トランスミッションは、6速マニュアルが標準で組み合わされ、8速ATはオプションとなる。

2.0ℓ4気筒ターボディーゼルの320dは、190ps/4,000rpm、400Nm/1,750－2,500rpmを発揮。動力性能は、0-100㎞/h加速を7.1秒（6.8秒：8速AT）でこなし、最高速度は240㎞/h（240㎞/h：8速AT）に達する。トランスミッションは、6速マニュアルが標準で組み合わされ、8速ATはオプションとなる。

2.0ℓ4気筒ターボディーゼルの320d xdriveは、190ps/4,000rpm、400Nm/1,750rpm－2,500rpmを発揮。動力性能は、0-100㎞/h加速を6.9秒でこなし、最高速度は233㎞/hに達する。トランスミッションは、8速ATが組み合わされ、xdriveにより四輪全てを駆動する。

3.0ℓ6気筒ターボディーゼルの330dは、265ps/4,000rpm、580Nm/1,600rpm－3,000rpmを発揮。動力性能は、0-100㎞/h加速を5.5秒でこなし、最高速度は250㎞/hに達する。トランスミッションは、8速ATが組み合わされる。

エントリーモデルでも、3シリーズの「駆け抜ける歓び」を味わうには、十分なパワーを備えている。これら6種のラインアップ発売後に導入されるだろうM40iやM40d、そしてM3には、否応無しに期待が高まる。（続きは後編へ）

Photo source：BMW