レゴ、実寸大 ブガッティ シロンを発表

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8月30日、デンマークの世界的玩具メーカーであるレゴ社は、レゴテクニックの実寸大ブガッティ シロンを、F-1イタリアグランプリが開催されるモンツァ・サーキットで披露した。

 

レゴテクニックとは、モーター、歯車、車軸、タイヤなどの部品を組み合わせることで実際に動くクルマなどを作り上げるシリーズであり、言うなれば「動くレゴ」である。

 

レゴテクニックの実寸大ブガッティ シロンは、おもちゃの枠から現実世界へと飛び出し、100万ピース以上のブロックやパーツが駆使され、大人2人が乗車して走行できる「本物のクルマ」である。

 

レゴ製のスーパーカーは、チェコにあるレゴ社のクラドノ工場に在籍する精鋭部隊によって、極秘裏に製作された。彼らは、レゴストアやレゴランドに展示されているレゴブロックで再現された世界中の街並みなどを手掛けるエキスパート集団だ。

 

幼少期、時間を忘れてしまうほどレゴブロックに夢中になった経験のある方もいるだろう。ブロックは、今のデジタル世代からすれば随分とアナログなおもちゃに映るだろうが、そこには無限の想像力を駆り立てる「冒険的な楽しさ」がある。

 

そんな無限の創造力で生み出された「ブガッティ シロン」には、一体どのような驚きが隠されているのだろうか。

 

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▶シロンに宿るレゴの小宇宙

外観は、レゴテクニックの三角形のパーツを組み合わせることで、シロンのボディ曲線を精巧に再現している。そして、パーツの組み合わせによって表面に現出した幾何学模様は、レゴが創り出す小宇宙。

 

ヘッドライトやテールライトは実際に点灯可能であり、可動式リアウィングは上下動するように、レゴテクニックのパワーファンクションモーターを内蔵している。

 

内装も見事な再現ぶりで、スピードメーター、着脱式のステアリング、ダッシュボード、シート、ブレーキペダルとブレーキそのものも実際に機能するよう造り込まれている。

 

これらの忠実な再現には、339種類のレゴテクニックパーツが合計100万ピース以上使用されており、組み立てから完成までには13,483時間を要したという。接着剤は一切使用しないという究極のクラフトマンシップを貫いた。

 

レゴテクニック「ブガッティ シロン」は、気の遠くなるような作業量と努力、そして忍耐力で創り上げられたのだ。

 

ホイール、タイヤ、ブガッティのエンブレムについては、ブガッティの協力により本物を使用しているようだ。

 

100万ピース以上もの小さなパーツたちが、大人2人を乗せて走れるクルマを動かす。

精巧に造られた機械式時計のような小宇宙が、レゴテクニック「ブガッティ シロン」には宿っている。

 

▶レゴ社最強にして最速のパワートレイン

レゴテクニック「ブガッティ シロン」は、2,304基のレゴ製パワーファンクションモーターを搭載する。パワーは、レゴ社最強の5.3ps/92Nmを発揮。

 

4,032個のレゴテクニックギアホイールと2,016個のレゴテクニッククロスアスクルにより、1,500㎏の車体がアスファルトの上を進む。

 

最高速度は、レゴ社最速となる20㎞/h超を誇る。

 

420㎞/hを誇る本物のシロンの最高速度からすると、わずか21分の1のスピードだが、レゴで味わう20㎞/h超の世界は数値を超えた未知の世界だ。

 

▶本物のシロンのテストドライバーが感激

レゴテクニック「ブガッティ シロン」は、ドイツの「エーラ・レッシエン・テスト・サーキット」で、テスト走行を実施した。このサーキットは、フォルクスワーゲングループが所有し、本物のシロンが初めて走行テストを行った感慨深い場所である。

 

記念すべき初テストのステアリングを握ったのは、これまでルマン24時間レースやデイトナ24時間レースで優勝経験があり、現在ブガッティ シロンのテストドライバーを務めるイギリス人ドライバー「アンディ・ウォレス」である。

 

レゴテクニック「ブガッティ シロン」のシートに身を埋め、着脱式のステアリングを握り、マシンを起動させる。2,304基のモーターが一斉に動き出し、1,500㎏+大人1人の巨体を一生懸命に前へ前へと進める。そして、レゴ製の最強の心臓は休むことなく働き続け、レゴ社最速となる20㎞/h超へと到達。

 

小さなモーターたちが、一生懸命に1.5トン以上ある車体を動かしていることを想像するだけで、顔がほころぶとともに、心が洗われるような感動を覚える。

 

アンディ・ウォレスは、レゴ製シロンの出来栄えに感激したという。

 

20mほど離れたところからレゴ製のシロンを見ると、本物と見分けがつかないとも語っている。そして、レゴブロックで夢のような超大作を創り上げるために要した途方もない努力に、称賛の言葉を贈った。

 

百戦錬磨のドライバーでさえ、レゴ製シロンで駆け抜けたひと時は至福の時間であったようだ。

 

レゴのクルマを運転できる日が来るなんて、夢にも思わなかった。by Andy Wallace

 

 

▶今後の展開

レゴ社は、1:8スケール(3,599ピース)のレゴテクニック「ブガッティ シロン」をすでに発売しているが、1:1(実寸大)のレゴテクニック「ブガッティ シロン」の販売については明言していない。

 

もし販売されるとしたら、およそ1,000万円以上はするのではないかと言われている。

世界一高価なレゴブロックである。

 

表面に丸い突起(ポッチ)が8つ、ごくごく一般的なレゴブロックを6つ組み合わせると、何と9億通り以上の組み合わせが創れるという。

 

可能性は無限大。

 

これからも、あっと驚くようなサプライズを創り出してくれるに違いない。

 

すごいぞ、レゴ!

 

Photo source:LEGO

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