6月27日、アウディは3年ぶりとなるマイナーチェンジを果たしたA4を発表した。
今年の春にビッグマイナーチェンジをしたメルセデスCクラスや、今年10月のパリモーターショーでのデビューが予定されているBMW新型3シリーズなど、Dセグメントの競争は衰えを知らない。
今回のマイナーチェンジでは、主にエクステリアの見直しが優先され、現行よりもスポーティなルックスに仕上げられている。残念ながら、パワートレインやインテリアのアップデートは無いようで、期待していた48Vマイルドハイブリッドシステムの導入についてはもう少し時間がかかりそうだ。
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▶より精悍になったフロントマスク
フロントバンパーの5角形のエアインテークの輪郭がより鮮明に、かつ釣り上がったようなデザインとなり、現行よりも精悍さを増したルックスとなっている。
オプションのS Lineパッケージでは、5角形のエアインテークとノーマルモデルよりもアグレッシブに前へ突き出たリップスポイラーが合わさり、RS4を彷彿とさせるような存在感あるフロントマスクとなる。
一方のリアデザインは、丸形のテールパイプが大きな四角形のテールパイプへと変更され、リアディユーザーの幅も若干狭くなっているが、その組み合わせが上手にまとめられており、上品な落ち着きを与える。そして、エクステリアの変更に足元から花を添えるホイールは新デザインとなり、オプションを含めて16インチから19インチまでが用意される。
▶スポーティさ際立つS Lineコンペティションパッケージ
コンペティションパーケージには、19インチのホイール、レッドブレーキキャリパー、LEDヘッドライト、専用のスポーツサスペンション、RS4と同じリアスポイラー(A4アバントのみ)、そしてボディカラーには専用のターボブルーが用意される。
後部座先のドアの足元付近には、アウディの4リングスがあしらわれている。外から眺めて、思わず「おおっ!こんなところにアウディの4リングスが!」と呟いてしまうような粋な演出である。目立たずクールに自己主張しているところが、アウディらしいというか、上品な遊び心なのだろう。
インテリアは、RS4譲りのカーボンパネルがレーシーな雰囲気を演出し、3本スポークのマルチファンクション付きステアリング、専用のブラックレザーシートが備わる。なお、スポーツシートについては、S4のオプションメニューからも選択可能であるという。
現在のDセグメントは、デザインや実用性のどれをとってもエントリーモデルで十分とも言えるスペックを備えている。ハイパフォーマンスよりも、日常的な快適性とステータスを楽しむ顧客の方が圧倒的に多いことを考えると、パワートレインに敢えて手を入れず、目に見えるところや手で触れるモノを洗練させるということに傾注することも一つの選択肢なのかもしれない。
▶今後の展開
発売時期は、今年の7月から9月中になると見込まれている。日本導入時期は未定だが、今年の年末か来年の初頭になるのではないかと思われる。
▶永遠のベンチマークの背中は遠い
今年春にビッグマイナーチェンジを果たしたメルセデスのCクラスは、中身が別物と言える進化を果たした。自慢の48Vマイルドハイブリッドシステム「EQブースト」を導入し、Sクラス譲りの最新のインフォテインメントシステムも備え、合計6,500点にも及ぶ改良が施されている。
Dセグメントに要求される走りの快適性を、中身から徹底的に鍛え直した格好だ。
そして、上質な心地よさを提供するインテリアも妥協の無い仕上がりである。
永遠のベンチマーク、Cクラスの背中はやはり遠い。
A4も今回はエクステリアだけのマイナーチェンジに留まったが、S4のマイナーチェンジ版が出る頃には、エントリーモデルのボトムアップも図られ、先進機能満載のA4ファミリーが揃うかもしれない。
「技術による先進」がアウディのモットーであるから、今後の楽しみは十分残されている。
Photo source:Audi
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