5月21日、ルノーは、「新型メガーヌR.S.トロフィーR」が、ニュルブルクリンクサーキット北コースでFF最速記録を更新したことを発表した。
タイムは、7分40秒10。これまでFF最速だったシビック タイプRの7分43秒80を、およそ4秒近くも短縮した。ちなみに、今回の記録は、今年の4月5日に樹立したそうだ。2017年4月にシビック タイプRがFF最速記録を更新してから、はや2年。フランスが誇る弾けんばかりのシャンパン・ホットハッチがやってくれた!
振り返ること、2014年5月。先代のメガーヌR.S.275トロフィーRが記録したタイムは、7分54秒36。それから5年の歳月を経て、「新型メガーヌR.S.トロフィーR」が、およそ15秒近く短縮するという驚異的な速さで、ニュルFF最速の称号を手にしたのだ。
では早速、「新型メガーヌR.S.トロフィーR」のスペックと共に、新記録達成時の動画をノーカットでご覧頂こう。
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▶300psのエンジンは変わらず
「新型メガーヌR.S.トロフィーR」には、ボンネット中央部に大きなエアインテークがある。しかしエンジンは、ベースとなるメガーヌR.S.トロフィーの1.8ℓ4気筒ターボのMT仕様(300ps/400Nm)をそのまま搭載。意外や意外、パワーアップは一切なしなのだ。
ではなぜ、こんなに速く走れたのか?
ルノーは、ベースとなるメガーヌR.S.トロフィーの発売後、「新型メガーヌR.S.トロフィーR」をレーシングカーという位置づけで開発を進めてきた。つまり、直線の爆発的な速さよりも、コーナーが連続するサーキットをいかに速く駆け抜けるかに焦点を置いて試行錯誤を繰り返してきたのだ。
開発の焦点は、130㎏におよぶ軽量化、空力性能の徹底的な見直し、シャシーを本格的なサーキット志向へと仕立て上げる、の3点。この3つの要素を徹底的に煮詰めて、「新型メガーヌR.S.トロフィーR」は造り上げられた。FFというクルマの性質上、いたずらにパワーアップを図らず、軽量化、空力、足回りの3点を徹底的に磨き上げることで、シビック タイプRからニュルFF最速の座を奪還することに成功したのだ。
関連記事:【動画】FF最速の奪還、新型メガーヌR.S.トロフィーR
▶サーキット志向の特別な仕立て
「新型メガーヌR.S.トロフィーR」は、硬派なサーキット志向モデル。快適装備とは無縁であり、ロングドライブなんぞも想定していない。130㎏の軽量化のために、リアシートの除去、アクリル製ガラスへの取替などを敢行。サーキットでの安全性と剛性アップのために、取り除かれたリアシート部分には、代わりにロールケージが設置される。
オーリンズ製ダンパー、ブレンボ製ブレーキ、ブリヂストン製タイヤ、レカロ製レーシングシート、サベルト製レーシングベルト、極めつけはアクラポヴィッチ製エキゾーストシステムが専用に装備される。エンスーにはたまらないブランドの数々。
官能的に速いのは間違いない!
▶FF最速「7分40秒10」フル動画
ルノー・スポールのテストドライバーであるロラン・ウルゴン氏は、ニュルを速く走るクルマのセッティングの秘訣として、「硬めにセッティングし過ぎるのではなく、足がしっかりと動く方向でセッティングすること」を挙げている。しなやかさを極めた「新型メガーヌR.S.トロフィーR」はどんな走りで、FF最速記録を樹立したのか!
Source:RENAULT
▶今後の展開
「新型メガーヌR.S.トロフィーR」は、「F-1 モナコ グランプリ」期間中の5月24日にモナコで正式発表される。発売時期は、今年の年末頃が予定されているそうだ。生産台数は、数百台の限定生産となる。気になる価格は、今後発表される。
ニュルFF最速の座を奪われたホンダは、心中穏やかではないだろう。真偽のほどは不明だが、カーボン製パーツを多数採用することで軽量化を図る、シビック タイプRのレーシングモデルの開発が極秘裏に進められているそうだ。
Photo source : RENAULT
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