打倒シビックタイプRを掲げる「新型メガーヌR.S.トロフィーR」が、先週ニュルブルクリンクサーキットでプロモーション映像の撮影を敢行。いよいよ公式発表間近であることを窺わせるニュースが飛び込んできた。
現在のFFニュル最速と言えば、ご存知シビックタイプR。2017年4月、7分43秒80という驚異的な速さで、当時FF最速だったゴルフGTIクラブスポーツSを撃破。その後2年以上に渡り、シビックタイプRの記録を破るFFホットハッチは現れていない。
そんな中での今回の「新型メガーヌR.S.トロフィーR」のニュース。どこのメーカーよりもいち早く8分台を切ったルノーが、満を持してFF最速の奪還を狙う。
先代のメガーヌR.S.275トロフィーRは、2014年5月に7分54秒36を記録。それから、およそ5年の歳月が流れ、大幅に向上したエンジンパワーと、一層の進化を遂げたシャシーにより、ルノー・スポール帝国の再興が期待される。
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▶300ps超のパワー確実か?
「新型メガーヌR.S.トロフィーR」の映像を見ると、ボンネット中央部に大きなエアインテークが確認できる。ここから推測するに、ベースとなるメガーヌR.S.トロフィーの1.8ℓ4気筒ターボ(300ps/420Nm)よりもパワーアップが図られる公算が高い。シビックタイプRの320ps(400Nm)程度まで、パワーを押し上げるかもしれないのだ。
パワー強化とくれば、次に必要なのは軽量化。この点、リアシートの除去、アクリル製ガラスへの取替などにより、徹底した軽量化が図られるという。一方で、シャシー剛性を向上させるため、取り除かれたリアシート部分には、代わりにロールケージが設置されるようだ。
Source:TALEA Media
▶しなやかな速さを極める
新型メガーヌと言えば、4コントロールという四輪操舵システムが走りの注目ポイントだろう。この後輪ステアにより、先代に比べてきついコーナーも難なく、ゆるい?コーナーと思ってしまうくらい気持ちよく曲がるようになったと高評価の声も多い。
加えて、二段構造のダンパーである4HCC(ハイドロリック・コンプレッション・コントロール)により、路面の凹凸を繊細にいなし、乗り心地も飛躍的に改善されている。これらの合わせ技で、足回りはこれまでの「ゴリゴリの硬さ」から、「洗練されたしなやかさ」へと進化するものと思われる。
事実、ルノー・スポールのテストドライバーであるロラン・ウルゴン氏は、ニュルを速く走るクルマのセッティングの秘訣として、「硬めにセッティングし過ぎるのではなく、足がしっかりと動く方向でセッティングすること」を挙げている。
このウルゴン氏の発言と、直近のR.S.モデルのしなやかな足回りを合わせると、バリバリのサーキット志向である「新型メガーヌR.S.トロフィーR」と言えども、ゴリゴリに硬い足になることはなさそうだ。
▶今後の展開
8代目となる新型ゴルフ、2代目となる新型AMG A45、FFへと刷新した新型BMW1シリーズなど、注目モデルがこぞって発表を予定する9月のフランクフルトモーターショー。ここで発表されるかどうかは不明だが、もし発表されるなら、今年のフランクフルトモーターショーは近年稀に見る盛況ぶりとなるだろう。
さて、そもそも論ではあるが、「新型メガーヌR.S.トロフィーR」のベースとなるメガーヌR.S.トロフィーが残念なことに、日本へまだ導入されていない… しかし、日本は、R.S.モデルの販売比率が世界でもトップクラスの国。そう、日本はR.S.モデルの大のお得意様である。メガーヌR.S.トロフィーが日本へやって来る日も遠くはない。安心して待とう、そして、「新型メガーヌR.S.トロフィーR」のFF最速奪還を期待しよう!
Photo source : TALEA Media
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