6月13日、マクラーレンは自社のSNS上で、エントリーモデル「570S」のサーキット走行も楽しめる高性能版「570LT」の登場を予感させる書き込みを掲載した。その全貌は、6月28日にネット上で公開されるようだ。
そして、570LTは、7月12日にイギリスのウェスト・サセックス州で開催される世界的なモータースポーティベント「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」で正式発表されることとなる。
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▶体感性能を楽しむ動力性能
570LTには600ps以上と予想される3.8ℓV8ツインターボの改良版が搭載され、570Sの3倍近いダウンフォースを生む空力性能の向上が見込まれている。もちろん、軽量化も徹底され、そこには一切の妥協はないだろう。
パワーアップ、徹底した軽量化、空力の最大化、これら3つの要素はマクラーレンの高性能化では必須。とはいえ、570LTはサーキットをいかに速く走れるかを突き詰めたモデルである。
570Sと比べると大幅なスペックアップを図っているが、それは加速性能や最高速度のためではなく、コーナーがあるサーキットで速く走るためのものである。数値では語れない体感性能を楽しむ車なのである。
570LTのエキゾーストは、カーボン製のカバーに覆われたエンジン後方の中央部に2本鎮座している。体感性能を楽しむ570LTは、クルマとの究極の一体感と心震わせるエンジンサウンドでドライバーを虜にするだろう。
▶限定生産は必至
マクラーレンは具体的な生産台数は明言していないものの、570LTが限定生産になることを認めている。
675LTと同様に500台前後の限定生産となるかは現段階では分からないが、675LTのように受注開始後間もなく完売し、675LTスパイダーという形で追加生産される可能性は高い。
なぜなら、570LTは675LTよりも穏やかにまとめられるようであり、バリバリのサーキット志向の顧客よりも間口が広いからだ。とはいえ、価格は夢のスーパーカープライス。
日本円で、およそ2,950万円(2018年6月14日時点)からということになりそうだ。
▶レーシーなオプション装備
吊るしで約3,000万円の車にオプションなど必要あるのだろうかと思うが、イギリスという国はプレミアムな商品をよりプレミアムに仕立て上げる天才でもある。オーダーメイドの高級紳士服が多数軒を連ねるサヴィル・ロウこそ、顧客の要望に沿ってオンリーワンを仕立て上げる元祖だろう。
顧客との対話によって唯一無二の逸品を仕立て上げる「ビスポーク:Bespoke」の哲学は、高級紳士服だけでなく、我々の愛するクルマの世界にもしっかりと根付いている。
マクラーレンには、顧客の要望に応え特別な一台へと仕立て上げてくれるMSO(マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ)という部門がある。
MSOは570LTのオプション装備として、各種パーツのカーボン素材への変更、より軽量化されたホイール、防音材の削減、チタン製エキゾーストなど、サーキット志向をより本格化させるアイテムを用意するだろう。
▶正式デビューまで1か月
570LTは約1か月後の7月12日に、「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」で正式発表されるが、その約2週間前の6月28日にネット上での公開が予定されている。
6月末の公開でその全貌はほぼ明らかなものとなるだろうが、7月12日の「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」の見せ場であるヒルクライムレースで570LTの出走が予定されているようだ。
ヒルクライムレースでは、1台ずつ、イギリスの田園の細い道を駆け抜ける。その時初めて、産声を轟かせながら疾走する570LTを全身で感じ取ることになるだろう。
世界中のエンスージアストが、一本の道を駆け抜け誕生する570LTをゴールで待ちわびている。
Photo source:McLaren
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