2018年6月8日、ポルシェは同社のスポーツカー誕生70周年を祝い、911スピードスターコンセプトを発表した。
遡ること1948年6月8日、ポルシェ初のスポーツカーである「ポルシェ356」が誕生した。「ポルシェ356」の遺伝子は、スポーツカーの代名詞ともいうべき「911」へと引き継がれ、世界中のエンスージアストの心を掴んで離さない。
70年の時を経て、911で醸成されたテクノロジーが惜しみなく投入された「ポルシェ356」へのオマージュが、911スピードスターコンセプトである。
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▶「ポルシェ356」をモチーフにしたデザイン
外観は「ポルシェ356」をモチーフにし、カーボン製のボンネットやリアカバーを組み合わせることで、レトロな雰囲気と近未来感漂う質感が見事に調和している。
ボディのベースは現行の911カレラ4カブリオレのワイドボディであるが、ルーフを取り去り、フロントガラスを低く浅くすることで、「ポルシェ356」へのオマージュ感をたっぷり演出している。そして、シルバーとホワイトの2トーンのボディカラーは、クラシカルなポルシェのイメージを踏襲したものである。
コックピットの背後にある流線形のコブはカーボン製で、走行中の空気の流れを整える効果があり、ロールオーバープロテクションまで備えているというのだから抜け目がない。しかも、「ポルシェ356」同様、雨天時などは、コックピットはテナックスファスナー式トノカバーで保護される。
その他には、銃弾を模したサイドミラーや、1950年代のポルシェを彷彿とさせるボンネット中央部にあるクローム製の給油キャップ、初期のポルシェのレースカーへのオマージュである×印をデザインしたヘッドライト、Bピラーとリアエンドに飾られたゴールドのエンブレムなど、ポルシェの70年間のデザインの歴史がぎっしりと詰まっている。
▶軽量化を貫くインテリア
インテリアは、極端なくらいレーシーだ。ドライビングを最大限に楽しんでもらうためであろうか、ナビやオーディオ、そしてエアコンまでもが潔く取り去られており、バケットシートも当然のことながらカーボン製となる。
ユニークなデザインで注目を引きつつも外観も内装も軽量化を徹底し、「スピードスターとしての実」を備えさせているところが、何ともドイツメーカーらしい。
▶官能的なGT3の心臓が移植
ボディの中身は現行の911GT3であり、レブリミットは9,000回転を誇る自然吸気の4ℓ水平対向6気筒(500ps)が搭載され、6速マニュアルが組み合わされる。存在感ある21インチのホールの奥には、ブレーキを含めGT3の足回りが移植されている。
そして、GT3-RSでドライバーを魅了したエンジン直結のチタン製エキゾーストは官能的なエンジンサウンドを響かせてくれる。これだけ現実的で魅力的なスペックを搭載しながらも、現段階ではコンセプトモデルであるという。
▶量産化への期待
これまで、1988年と2010年の2度、911スピードスターはお披露目されてきたが、これまで一度も量産されたことはない。
今回の発表は、3回目である。
ドイツに「3度目の正直」という言葉があるかわからないが、3度目の911スピードスターコンセプトが限定生産であれ、量産化されることをファンは心待ちにしているのではないだろうか。
Photo source:PORSCHE
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