アストンマーティンは、同社105年の歴史の中で初となるSUVに、「DBX」と正式に命名した。ライバルは、ランボルギーニ ウルス、フェラーリプロサングエ。
DBXのプロトタイプ第1号車は、ドライビングシミュレーターのデータにより、改良が重ねられ、いよいよ現実世界での過酷なテストに挑む。アストンマーティン初のオフロードテストは、「ウェールズ・ラリーGB」で幕が開けられた。
「走る芸術品」と称されるアストンマーティン。悪路走破で、泥まみれになる姿は、何とも心苦しいが、このオフロードテストは始まったばかり。今後、世界中の厳しく険しい悪路で修行を積み、本格SUVへと成長する。
DBXの修業の場は、北極のアイスバーンから始まり、中東の灼熱砂漠、アルプスの山岳路、ドイツのアウトバーン。フィナーレは、オンロードテストの聖地、ニュルブルクリンクサーキット北コースだ。
とはいえ、DBXの本質は、悪路走破もこなすSUVの形をした、ラグジュアリーGT。
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▶コンセプトモデルとは異なる外観
DBXプロトタイプの外観は、5ドアの典型的なSUV的な出で立ち。2015年のジュネーブモーターで披露された、3ドアのクーペスタイルのコンセプトモデルとは随分と違う。肩透かしを食らったのは、そのテールライト。ラグジュアリーSUVらしからぬ、シンプル過ぎる丸形テールライトだ。
アストンにとって、SUVの開発は初めて尽くし。プロトタイプの外観も、今後の様々な改良に対応するため、あえてラフな状態としたのだろう。発売の頃には、大きく様変わりし、「走る芸術品」へと昇華されるはず。
▶DBXの心臓部
DBXは、今後導入が予定されているラゴンダセダンとプラットフォームを共有する。搭載されるエンジンは、アストン製V12と、DB11に導入済みのメルセデスAMG製4.0ℓV8ツインターボ。加えて、メルセデス製のハイブリッドパワートレインも用意されるようだ。とはいえ、発売時は、2種のガソリンエンジンだけの展開となる。気になるEVモデルの展開は、今のところ予定されていない。
▶DBXは次期ボンドカーになるか
DBXは、2019年の秋以降の発売に向けて、英国ウェールズ州セント・アサン工場で生産される。セント・アサン工場は、今後のアストンマーティンの電動化の拠点。すなわち、電動化モデルの主力工場。
アストンマーティンは、2015年に発表した「セカンド センチュリー プラン」という長期ビジネスプランに基づき、粛々と、新型のDB11、ヴァンテージ、DBSスーパーレジェーラを市場へ導入。
4番目のモデルが、DBXだ。そして、このプランでは7つの新型モデルの導入を予定しており、残り3モデルがスタンバイしている。新型ヴァンキッシュ、ラゴンダSUV、ラゴンダセダンだ。アストン初のSUV「DBX」も、次々と新型モデルが導入されることに、その話題性が霞んでしまう。
しかし、ジェームズ・ボンドの相棒「ボンドカー」として、銀幕デビューすれば、そんな心配も一気に吹き飛ぶ。
DBXの発売は、2019年10月以降。映画「007」シリーズの第25作目となる最新作「ボンド25(仮題)」のイギリスでの公開は、2019年10月25日…これは偶然か…
Photo source:ASTON MARTIN
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