ポルシェは、3代目カイエンに新たに「カイエンクーペ」を追加投入する。2019年の年末頃の発売に向けて、カイエンクーペは、ニュルブルクリンクサーキットでのパフォーマンステストに余念が無い。
それもそのはず、カイエンクーペの周りには、BMW X6、アウディQ8、メルセデス・ベンツGLEクーペなどの強力なライバルたちがひしめき合っており、油断はできないのだ。
スポーツカーの世界からSUVの世界へと領土を拡大し、見事に成功を収めているポルシェ。
SUVという新たな世界でも、これまで培ってきたレーシングスピリッツを貫き、ポルシェらしいクルマ造りはブレることがない。
SUVという大きな体躯に宿る、レーシングスピリッツ。
カイエンクーペは、悪路走破だけでなく、サーキットのコーナーも制すことができるか。
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▶ファストバック風のボディ
カイエンクーペのルーフは、通常のカイエンよりもリアエンドにかけてなだらかに傾斜した「ファストバック」となる。見るからに、クーペに相応しい流線形だ。
そんな流線形のフォルムよりも目を引くのは、通常のカイエンよりも圧倒的なパフォーマンスを予感させる「リトラクタブルウィング」の存在である。911を彷彿とさせるこのウィングは、ルーフスポイーラーとは別に、リアウィンドの下にあるテールゲート中央部に格納されており、走行状況に応じてせり上がる角度を自動調整し、ダウンフォースを発生させる。SUVとは思えないようなコーナーリングに期待が膨らむ。
テールライトは、ベースとなる3代目カイエンよりも、よりスポーティなデザインになりそうだ。デビューが近い新型911のテールライトに限りなく近いデザインになるのではないだろうか。
一方のフロントエンドには大きな変更はなさそうで、基本的には3代目カイエンと同じ顔つきとなる。もっとも、フロントバンパーはカイエンクーペ独自のデザインとなるようだ。
▶3代目カイエンと同じインテリア
インテリアは3代目カイエンと同じであり、センターコンソールには大型のタッチスクリーンが鎮座し、ボタンやスイッチ類は最小限に抑えられたクリーンなデザインとなる。
カイエン「クーペ」だけに、4シーターバージョンも用意されるようだ。
▶ハイブリッドも遅れて投入されるパワートレイン
発売時のパワーユニットは2種類用意され、カイエンSに搭載されている2.9ℓV6ツインターボ(446ps)と、カイエンターボに搭載されている4.0ℓV8ツインターボ(558ps)となる見込みだ。ハイブリッドモデルは、遅れてラインアップに追加されるようだ。
通常のカイエンが来年ディーゼルを追加投入するのとは対照的に、カイエンクーペにはディーゼルの投入計画はないという。
トランスミッションは、8速ティプトロニックSが組み合わされる可能性が高い。
特にトップモデルの「ターボ」については、あえてリトラクタブルウィングを備えたクーペモデルを造ったのだから、エンジンもそれ相応のスペシャルなものが用意されることを期待したい。
▶今後の展開
カイエンクーペは、2019年の年末頃に欧州を皮切りに販売がスタートする予定だ。
生産工場は、パナメーラやカイエンの弟分であるマカンも生産しているライプチヒ工場となる。
発売は2020年だが、2019年後半には、ポルシェ初の4シーターEV「タイカン」がデビューする。そして、少し早い2019年の中頃には、メルセデス初のEVであるコンパクトSUV「EQC」も発売される。名だたるドイツブランドが、こぞってEVを世に送り出す。
来年は、クルマの動力源のパラダイムシフト元年となりそうだ。
Photo source:PORSCHE
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