フィアット クライスラー オートモービルズ(FCA)のセルジオ・マルキオンネCEOは、2022年までの5ヵ年計画として、90億ユーロ(日本円でおよそ1兆1,560億円)にのぼる巨額の資金を投じて500のEV化を急速に推し進めるという。
2022年には、同社の欧州市場でのEV車の売上比率目標を60%としており、EV化計画はかなりの気合の入れようだ。同時に、これまでの製品ラインアップを見直し、主力車種を500とパンダの2つに絞り込むという大胆な再編にも取り組む。
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▶EV化と製品ラインアップ再編の背景
フィアットが500のEV化と製品ラインアップ再編という決断に至った背景には、様々なラインアップを擁するドイツや日本、フランス勢とこれまで通り肩を並べて競争し続けていくことは難しいという現状がある。
フィアットが存在感を示せる500とパンダの市場に注力することが、同社の成長の鍵になると判断したようだ。人気があり利益率の高い500と、コンパクトでありながら実用性に定評のあるパンダの2車種に資本を集中させる。
一方で、売上の芳しくないプントは現行モデルが最後となり、生産終了が決定している。ティーポの継続については最終決定に至っておらず、検討が続けられている。
▶新生500eのラインアップ
2020年に発売予定の500のEV車である500eに続き、ワゴンタイプの500ジャルディニエラもEVとして復活を果たす。さらに、500Xと500L(日本未導入)には、ハイブリッドモデルが追加導入される予定だ。
▶パンダのラインアップ
パンダは500のようなEV化は計画されておらず、これまでの実用性に一層の磨きをかけつつ、現行のガソリンエンジンをより扱いやすく燃費の良いものへと進化させていくようだ。
残念ながら、パンダについては500ほどの詳細な情報は今のところ得られておらず、どのようなエンジンラインアップが展開されるかは現段階では定かではない。
▶500eとパンダで挑むフィアットの未来
車種の削減によって生産規模を縮小させるのかと思いきや、そんなことはなく、フィアットファンを掴んで離さない500とパンダのラインアップ充実を図ることで、生産規模は維持ないし拡大させるというのだから大したものである。
イタリアが誇る2つの小さな国民車が、2022年に大きな花を咲かせるのが楽しみだ。
Photo source:FIAT
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